複合旋盤とNC旋盤の違い|選び方と加工適性ガイドのご紹介

2026.06.02

複合旋盤とNC旋盤の違い|選び方と加工適性ガイドのご紹介

「複合旋盤とNC旋盤、どちらに依頼するのが自社の部品に適しているのか判断したい」「コストと精度のバランスを考えるとき、両者の使い分けの基準を知りたい」——こうした悩みを持つ設計者・購買担当の方は多いのではないでしょうか。複合旋盤とNC旋盤は、ともにNC制御で旋削加工を行う工作機械ですが、対応できる加工機能・得意な部品形状・コスト構造が異なります。本記事では、両者の違いと使い分けを比較表で整理し、用途別の選定ポイントを解説します。NC旋盤から複合旋盤・複合自動盤まで多数保有する株式会社ヨシダセイコーの知見をもとに、現場で役立つ情報をお届けします。

複合旋盤とNC旋盤の比較 NC制御 ヨシダセイコー

 

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複合旋盤とNC旋盤の違いとは

NC旋盤の定義

NC旋盤とは、コンピュータ数値制御(NC)によって刃物(バイト)の動きを自動制御し、ワークの外径・内径・端面・ねじなどを削る、旋削加工に特化した工作機械です。「2軸NC旋盤」「NCターレット旋盤」などと呼ばれます。

プログラム制御のため再現性が高く、同一形状の部品を安定した精度で繰り返し加工できます。一方で、穴あけ・キー溝・側面のフライス加工といったミーリング工程には対応せず、これらが必要な場合はマシニングセンタなど別工程との組み合わせになります。当社では高松機械工業 XT-6ヤマザキマザック QT-100S 系をはじめとするNCターレット旋盤を多数保有し、旋削主体の部品に対応しています。

複合旋盤の定義

複合旋盤とは、旋削加工(外径・内径・端面・ねじ)に加え、ミーリング(穴あけ・タップ・キー溝・側面加工)など複数の加工を1台で行えるNC制御の工作機械です。「NC複合旋盤」「ターニングセンタ」「ミルターン」などと呼ばれます。

メイン主軸とサブ主軸(背面主軸)の2軸構成、Y軸機能、同時5軸制御など、機種によって機能の幅は様々です。複雑形状の部品を1工程で完結できる点が最大の特徴です。ヨシダセイコーでは、TSUGAMI SS207-Ⅱ-5AX(同時5軸の複合自動盤)中村留精密工業製 NTJ-100(NC複合自動盤)をはじめとする複合機を多数保有しています。旋盤加工とフライス盤加工の違いのコラムも参考にしてください。

複合旋盤とNC旋盤の比較

両者の主な違いを下表にまとめました。設計時の工法選定の参考にしてください。

項目 複合旋盤(NC複合) NC旋盤(旋削専用)
制御方式 NC(プログラム制御) NC(プログラム制御)
加工機能 旋削+ミーリング+ドリル+タップ 旋削(外径・内径・端面・ねじ)
ミル加工要素 1台で対応可能 別工程(マシニングセンタ等)が必要
標準精度 ±0.005〜0.01mm ±0.005〜0.01mm
多工程部品の累積誤差 1チャック完結で最小化 工程間の再チャックで生じやすい
得意な形状 多面・複雑形状(旋削+ミル要素) シンプルな円筒・段付き軸
段取り 工具・プログラムが複雑 比較的シンプル
機械チャージ 高め 低め
向いている部品 旋削とミル加工が混在する部品 旋削だけで完結する部品

複合旋盤は「旋削とミーリングが混在する複雑形状部品」を1工程で高精度に仕上げるのに向き、NC旋盤は「旋削加工だけで完結するシンプルな部品」を低い機械チャージで安定生産するのに向いた工法といえます。

用途別の選び方

用途A: 旋削だけで完結する部品 → NC旋盤を選ぶ

段付きシャフト、ブッシュ、カラー、ピン、円筒スリーブなど、外径・内径・端面・ねじだけで形状が決まる部品は、NC旋盤が適しています。ミル加工要素がないため、複合旋盤を使うより機械チャージを抑えられ、量産時の1個あたりコストでも有利です。

プログラム制御により再現性が高く、数百個〜数万個の量産でも安定した精度を維持できます。加工事例一覧では、NC旋盤による量産部品の実績を公開しています。

用途B: 旋削とミル加工が混在する部品 → 複合旋盤を選ぶ

旋削形状に加えて、キー溝・横穴・側面のフライス・タップなどミル加工要素を持つ部品は、複合旋盤が最適です。NC旋盤とマシニングセンタの2工程に分けると、工程間の再チャックで位置ずれ(累積誤差)が生じやすく、段取り時間も二重にかかります。

複合旋盤なら1チャックで旋削とミーリングを連続加工できるため、同軸度・直角度といった幾何公差を出しやすく、トータルの段取り・コストも削減できます。多工程が必要な複雑形状部品ほど、複合旋盤による1工程加工のメリットが大きくなります。

用途C: 複雑な軸物部品 → 複合旋盤の同時多軸制御を活用

シャフト+キー溝+斜め穴、バルブボディ+多面ねじ、スプロケット形状など、3次元の複雑要素を持つ軸物部品は、複合旋盤のY軸機能や同時5軸制御の出番です。

当社ではヤマザキマザック QUICK TURN18MS-Y、SQT-200MSY、SQT-100MSY などのY軸付き複合旋盤に加え、TSUGAMI SS207-Ⅱ-5AXSS327-5AXSS327-Ⅲ-5AXSS20M-5AX などの同時5軸制御スイス型自動盤を保有し、複雑形状部品の精密加工に対応しています。機械加工の技術力もご覧ください。

用途D: 大径・長尺の旋削部品 → NC旋盤+後工程の組み合わせ

直径が大きい、あるいは全長の長い大径・長尺ワークは、対応サイズの大きいNC旋盤で旋削し、ミル加工要素があればマシニングセンタで仕上げる流れが現実的です。当社のNC旋盤はφ3〜φ300mm(バー材はφ3〜φ65mm)に対応し、幅広いサイズレンジの旋削部品を加工しています。

ご相談ください

複合旋盤とNC旋盤の使い分けや、自社部品に適した工法についてお悩みでしたら、当社にご相談ください。70年以上の加工経験をもとに、最適な工法をご提案します。
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複合旋盤とNC旋盤の併用が活きるケース

複合旋盤とNC旋盤は対立する工法ではなく、部品ごとに使い分けることで、コストと納期を最適化できます。

ケース1: 量産部品のコスト最適化

旋削だけで完結する量産部品をすべて複合旋盤で加工すると、機械チャージの高さがコストに跳ね返ります。シンプルな形状はNC旋盤、ミル加工要素のある形状は複合旋盤、と部品単位で振り分けることで、全体の加工コストを抑えられます。

ケース2: 設備の負荷分散と納期短縮

複合旋盤に加工が集中すると、複雑形状部品の納期が延びがちです。NC旋盤で対応できる部品をNC旋盤側に流すことで、設備全体の負荷を分散し、複合旋盤を本当に必要な部品に集中させられます。多数のNC旋盤と複合機を併せ持つ会社ほど、こうした調整がしやすくなります。

ケース3: 試作から量産への移行

試作段階ではミル加工要素を含めて複合旋盤で一括加工し、量産移行時に旋削部分をNC旋盤へ振り分けるなど、フェーズに応じた工法切り替えも有効です。部品形状とロットを踏まえた工程設計が、コストと品質の両立につながります。


外注先選びのポイント

ポイント1: NC旋盤と複合旋盤の両方を保有しているか

NC旋盤のみ、または複合旋盤のみを保有する会社では、対応できる案件や最適なコスト提案が限定的になります。両方を多数併設している会社であれば、部品形状・ロット・コスト要件に応じて最適な機械を選定でき、量産・試作の全レンジに柔軟に対応できます。

ポイント2: 複合旋盤の機種バリエーション

複合旋盤は、対応する主軸径・軸構成・機能が機種ごとに大きく異なります。スイス型(細径精密)、固定型(中径量産)、対向2タレット(複雑形状)など、複数バリエーションを保有する会社が望ましいです。

当社では、TSUGAMI製スイス型自動盤(B0206-Ⅱ/Ⅲ・SS207-Ⅱ-5AX・SS327-5AX 等)、中村留精密工業製の固定型複合自動盤(NTJ-100WT-100/150・TW-8 等)、ヤマザキマザック製の中〜大径複合旋盤(QUICK TURN18MS-Y・SQT-200MSY 等)を多数保有し、幅広いサイズレンジに対応しています。

ポイント3: 後工程との連携力

旋盤加工単独で完結する部品は限定的で、多くは穴あけ・タップ・面取り・表面処理・組立などの後工程が伴います。NC旋盤・複合旋盤+マシニングセンタ+協力会社経由の表面処理・熱処理まで、ワンストップで対応できる外注先は、納期管理とコスト圧縮に有利です。

当社ではNC旋盤約60台・マシニングセンタ約10台・両頭フライス盤・ワイヤーカット・各種測定機器1,100点以上を保有し、加工〜表面処理・熱処理・組立までワンストップで対応しています。


複合旋盤とNC旋盤の使い分けでお困りなら、ヨシダセイコーへ

複合旋盤とNC旋盤は、対応できる加工機能・得意な部品形状・コスト構造が異なる、相互補完的な工法です。旋削とミル加工が混在する複雑形状部品なら複合旋盤、旋削加工だけで完結するシンプルな部品ならNC旋盤、というのが基本的な使い分けの考え方です。

株式会社ヨシダセイコーでは、NCターレット旋盤などのNC旋盤約60台に加え、NC複合旋盤・複合自動盤を多数保有しています。複合機はヤマザキマザック・中村留精密工業・TSUGAMI製の機種を取り揃え、細径精密から中〜大径の量産部品まで対応します。試作1個から量産数万個まで、お客様の部品形状・ロット・要求精度に応じた最適な工法をご提案します。

「自社の部品にどちらが適しているか相談したい」「量産前提の試作で適切な工法を提案してほしい」というケースも、内容にもよりますが、まずはご相談を承っています。

複合旋盤・NC旋盤の加工なら、ヨシダセイコーにお任せください。
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