NC複合旋盤とは?仕組みと適した部品形状を徹底解説します

2026.04.28

NC複合旋盤とは?仕組みと適した部品形状を徹底解説します

「NC複合旋盤という言葉は聞くが、通常のNC旋盤と何が違うのか整理したい」「複合旋盤で加工できる部品形状の判断軸を知りたい」——こうした疑問を持つ設計者・購買担当の方は少なくありません。NC複合旋盤は、旋削・ミーリング(フライス)・タップ・ドリル加工などを1台で行える複合加工機で、複雑形状の部品を1工程で仕上げられる点が大きな特徴です。本記事では、NC複合旋盤の仕組み、適した部品形状、依頼時の確認ポイントを解説します。ヤマザキマザック・中村留精密工業・ツガミ製のNC複合旋盤・複合自動盤を多数保有する株式会社ヨシダセイコーの知見をもとに、現場で役立つ情報をお届けします。

NC複合旋盤の構造 メインスピンドル サブスピンドル 工具タレット Y軸 ヨシダセイコー

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NC複合旋盤とは

NC複合旋盤の定義

NC複合旋盤とは、旋削加工(外径・内径・端面・溝・ねじ)とフライス加工(穴あけ・タップ・キー溝・側面ミーリング)を1台で行えるNC制御の工作機械です。「複合旋盤」「ターニングセンタ」「ミルターン」と呼ばれることもあります。

通常のNC旋盤がバイト(旋削刃物)による回転加工を主とするのに対し、NC複合旋盤は工具タレットに回転工具(エンドミル・ドリル・タップ)を搭載し、ワークが停止した状態でフライス加工も実行できます。Y軸機能・サブスピンドル・対向2タレットを備えた機種では、より複雑な多面加工が1工程で完結します。

通常のNC旋盤との違い

NC複合旋盤と通常のNC旋盤の主な違いを下表にまとめました。設計時の工法選定の参考にしてください。

項目 NC複合旋盤 通常のNC旋盤
加工機能 旋削+ミーリング+ドリル+タップ 旋削中心
工程数 1工程で完結することが多い 旋盤+マシニングセンタの2工程
段取り回数 少ない 多い(工程ごとに段取り替え)
累積誤差 小さい 大きい(再チャック誤差)
得意な部品 多面加工が必要な軸物・複雑形状 シンプルな円筒・円錐形状
向いたロット 試作〜中ロット量産 量産(同一形状の数千個以上)

複雑な形状や、旋削とミーリングが混在する部品は、NC複合旋盤で1工程加工する方が累積誤差を抑えられ、トータルコストも下がるケースが多いです。

NC複合旋盤の仕組み

主軸構成 — メイン主軸とサブ主軸

NC複合旋盤の多くは、メイン主軸とサブ主軸(背面主軸)の2軸構成です。メイン主軸で表面(フロント側)を加工した後、ワークをサブ主軸へ自動受け渡しし、裏面(バック側)を加工します。

これにより、1度の段取りで両端の加工が完結します。再チャックによる位置決め誤差が発生しないため、表裏間の同軸度・直角度が高い水準で安定します。機械加工の技術力のページでも、複合加工の優位性を紹介しています。

軸構成 — Y軸機能と同時5軸制御

NC複合旋盤の軸構成は、機種によって以下のように分類されます。

  • X-Z軸(基本2軸): 旋削加工のみ
  • X-Z-C軸(3軸): 主軸割出(C軸)でミーリング・タップが可能
  • X-Z-Y-C軸(4軸): Y軸でオフセット位置の穴あけ・側面加工が可能
  • 同時5軸制御: 複雑な3次元曲面や斜め穴・斜めミーリングが可能

Y軸機能があると、主軸中心からずれた位置のキー溝・側面平面・斜め穴などを1工程で加工できます。当社では、ヤマザキマザック QUICK TURN18MS-YSQT-200MSY、SQT-100MSY などのY軸付き複合旋盤に加え、ツガミ SS207-Ⅱ-5AXSS327-5AX などの同時5軸制御スイス型自動盤を保有し、複雑形状の精密部品に対応しています。

工具タレットと回転工具

NC複合旋盤の工具タレットには、固定工具(バイト)と回転工具(エンドミル・ドリル・タップ)の双方を装着できます。プログラム制御で自動工具交換を行うため、1サイクル中に多種多様な加工を切り替えながら実行できます。

機種によっては対向2タレット構造を持ち、メイン主軸とサブ主軸でそれぞれ別工具を使った同時加工も可能です。これにより、サイクルタイムをさらに短縮できます。


NC複合旋盤に適した部品形状

NC複合旋盤の特長を活かせるのは、旋削とミーリングが混在する複雑形状部品です。代表的な3つの適用例を紹介します。

適用例1: シャフト+キー溝・タップ穴の複合部品

モーターシャフト・ポンプシャフト・伝動軸など、旋削で外径・段差を加工した上で、キー溝・タップ穴・直交穴を入れる必要がある軸物部品はNC複合旋盤の主用途です。

通常であれば旋盤加工→マシニングセンタ加工の2工程が必要ですが、NC複合旋盤なら1工程で完結します。再チャックによる同軸度ずれが発生しないため、シャフトの振れ精度を高水準で保てます。

適用例2: バルブボディ・継手部品の多面加工

油圧バルブのボディ、配管継手、医療機器用ハウジングなど、円筒形状をベースに多面の穴・ねじ加工が必要な部品も、NC複合旋盤の得意分野です。

メイン主軸で旋削+表面加工→サブ主軸で裏面加工の流れで、両端の穴位置精度・端面の直角度を高い水準で実現できます。加工事例一覧では、SUS316L製シリンダー部品など複雑形状の実績を公開しています。

適用例3: スプロケット・歯車形状部品

スプロケット・歯車・カム形状などを含む複合部品も、NC複合旋盤+専用工具で対応可能です。当社では、SUS製スプロケット(複合加工)など、旋削+多面加工+歯切り要素を組み合わせた事例があります。

部品形状が複雑になるほど、NC複合旋盤による1工程加工のメリット(精度・納期・コスト)が大きくなります。

ご相談ください

NC複合旋盤での加工可否や、複合旋盤と汎用旋盤の使い分けについてお悩みでしたら、当社にご相談ください。70年以上の加工経験をもとに、最適な工法をご提案します。
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NC複合旋盤の依頼時に確認すべきポイント

ポイント1: ワークサイズと主軸径

NC複合旋盤は機種ごとに対応できるワークサイズが異なります。バー材加工とチャック材加工のどちらに対応するか、主軸径(チャック内径)と最大加工径を確認しましょう。

当社の場合、スイス型自動盤(ツガミ B0206-Ⅲ・SS207-Ⅱ-5AX)でφ20以下、SS327-5AX でφ32以下、中村留 NTJ-100 でφ50以下、ヤマザキマザック SQT-200MSY で8インチ(約φ200)など、幅広いサイズレンジに対応しています。

ポイント2: 必要な軸構成と機能

加工する部品形状から、必要な軸構成(C軸・Y軸・同時5軸など)と機能(サブ主軸・対向2タレットなど)を見極めます。シンプルな旋削+直交穴であればC軸で十分ですが、オフセット位置のキー溝や斜め穴があればY軸機能が必要です。

3次元曲面や斜め平面が必要な場合は、同時5軸制御の機種が前提になります。図面段階で加工要素を整理し、適した機種を保有する外注先を選びましょう。

ポイント3: 後工程の有無

NC複合旋盤で1工程加工が可能な部品でも、表面処理(メッキ・アルマイト)や熱処理(焼入れ・焼鈍)、組立といった後工程が必要なケースは多々あります。これらをワンストップで対応できる外注先を選ぶと、納期管理とコスト圧縮に有利です。

当社では加工〜協力会社経由の表面処理・熱処理〜組立まで、ワンストップで対応可能です。対応範囲の詳細もご参照ください。


NC複合旋盤の加工なら、ヨシダセイコーへ

NC複合旋盤は、旋削とミーリングが混在する複雑形状部品を1工程で加工できる工作機械です。シャフト+キー溝、バルブボディ+多面穴、スプロケット形状など、従来は旋盤+マシニングセンタの2工程が必要だった部品を、1工程で高精度に仕上げられます。

株式会社ヨシダセイコーでは、ヤマザキマザック QUICK TURN18MS-Y・SQT-200MSY・SQT-100MSY、中村留精密工業 NTJ-100・WT-100/150、ツガミ SS207-Ⅱ-5AX・SS327-5AX など、用途・サイズ・軸構成の異なる複合旋盤・複合自動盤を多数保有しています。試作1個から量産数万個まで、お客様の部品形状とロットに応じた最適な機械を選定し、加工いたします。

「NC複合旋盤で対応できるか確認したい」「複合旋盤と汎用旋盤のどちらが適しているか相談したい」というケースも、内容にもよりますが、まずはご相談を承っています。

NC複合旋盤の加工なら、ヨシダセイコーにお任せください。
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